「母さん、夕飯食べてから、言うの?」


「その方がいいでしょ。食べる前に言ったら、香奈恵ちゃん、食べれなくなっちゃうわ」


さすが、『昭和中期』に生まれた人は、考えが深い。


「あ~美味しかった!おばさんの作るデミグラスソースは、最高!」


「まぁ~香奈恵ちゃん、嬉しいこと言ってくれるわね」


3人で後片付けをしているときに柱時計が9時を打った。


まるで、それが合図のように、母さんが口を開いた。


「香奈恵ちゃん、ちょっと話したいことがあるんだけど、いい?」


「あっ、はい」

「凛子、あと、お願いね」


母さんと香奈恵は、リビングに入っていった。

母さん、どういうふうに話すんだろ、なんかヤキモキするな。