「…少しだけ山田さんと居ても良いですか?」 「分かった。私は下に下りて待ってるわ。」 山田さんのお母さんが去った後。 「…龍騎、ちょっとだけ目、瞑っててくれる?」 「うん。………いつまで?」 「ママが良いって言うまでよ。」 私は龍騎が目を瞑ったことを確認すると、 「龍…」 私は"普通のあなた"の名前を呼ぶ。 動くことはないその唇に私はそっと自分の唇を重ねた。