━━Ⅰ━━


「どういう、こと……?」



匠がたずねると、秋が代わりに説明してくれた。


「最初に見たときに気づくべきだった。うつ伏せに倒れていた彼女は、両手を握りしめていたんだ。そして、その片方の手の中に、メモ紙があった」


「お姉ちゃんが……これを握ってたの……?」



「うん。これは、彼女が残したダイイング・メッセージだと思う」



秋の声が広間に響き渡った。