推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】



「う、うるせぇな。食堂に置いてたと思ったら、どっかなくなっちまったんだよ。火がないんで、煙草もさびしがってるんだ。大至急だぞ」


火のついていない煙草を歯で咥え、上下に揺する。


「分かりました。探してきますよ。他に、皆さん何か持ってきて欲しいものなどはありますか?あなたは?」


黒髪の田中にたずねるが、相変わらず袖口を噛むようにして首を振るばかり。


本当はやっぱり震えているだけなのかもしれないが。


その姿に浮夫が肩をすくめていると、香苗が「あのぉ」と控えめに手を挙げた。