━━Ⅱ━━ 広間に全員が集まって約30分。 雨は一向にやむ気配がなく、逆に強くなっているようにさえ感じられる。 そんな一段と孤立感を際立たせる洋館において、匠は相変わらず心を失くした抜け殻だった。 それぞれの行動や、壁際に置かれている薄型のTVで流れる番組を目の隅や耳で捉えてはいても、内容を理解できてはいない。 実際のところ、今が何時なのかすら分かっていなかった。 ただ、この広間がずっと蒸し暑いということ以外は。