「早くしなさい、た――」 「うるさい!お姉ちゃんはどこだ!お姉ちゃん!」 匠は堰を切ったように叫び声をあげ、暴れ出した。 「たっ……匠!落ち着きなさい!ちょ……っと!」 「匠くん!怪我に響くよ!」 ふたりが飛びかかってくるも、お構いなしに何度も名前を呼ぶ。 「お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃんを出せ!お姉ちゃん!」