まぶしさに目を細めながら馴染むのを待っている間に、客室の外が騒がしくなってきた。 『こ、こりゃあ……』 『うっ……!!まさか、こんな……っ』 ドアの向こうから、宗と浮夫のくぐもった声が聞こえる。 悲鳴と声の具合から、何かが起こっているのは間違いないらしい。 「匠。ちょっとそこにいなさい」 言われなくても、匠は捻挫のためにひとりで動くことなどできない。 それでも「分かった」というふうに目で合図を送ると、真紀子は軽く髪の毛を手ぐしで整えて、身構えながらドアを開いて出て行った。