ハッキリ聞こえているのに、匠は無視した。 広がった苦みは、簡単には飲みこめない。 「あ……いいんですよ。匠くんも長旅で疲れてるだろうし、結局ずっとくだらないクイズに付き合わせちゃったし」 小声でささやく姫子の声がした。 胸にチクンと痛みが走った。 「それで、いいのね?匠」 真紀子の静かな問いかけに、匠はおずおずとかぶっていた布団をずり下げて顔を半分だけ出した。