「どうしたの、匠?」 「匠、くん?」 「寝る!今日はもう問題Bが解けないし、疲れたし、10時過ぎてるし」 深く潜っているからか、自分の声がこもってやたら大きく聞こえた。 しばらく――といっても十数秒だが、沈黙が訪れた。 ややおいて、真紀子の「匠」という声がする。 「佐伯さん、客室に戻られるわよ」