「おや、ひとり脱落か。残念。極上なワインのつまみにと思ったんだがな」 残念そうに、宗はまた頭をかきむしる。 「結局、ほとんど話してくれなかったなぁ~。もしかして私、近い年の子に嬉しくなって空気読めなかったんじゃ……。嫌われちゃったかな?」 姫子が困惑した表情で見下ろす。 匠が茶化すように「かもね」と返すと、すかさず指で両頬をぎゅうと挟まれてしまった。 「ぬんどぅ、うつむふっぷとぅつむむんどぅ(なんで、いつもほっぺたつまむんだ)」