「美女がふたり、絶景かな」 出てきたのは、秋の先輩作家である田中宗だった。 寝癖風の頭をぼりぼりとかきながら、向かい合う姫子と田中を品定めするかのように舐めまわしている。 「美女だなんて、そんなことないですよ~」 芸能界でもこの手の男が多いのだろうか、姫子は慣れた口調で宗をかわす。 だが慣れていない様子の田中は、さらに増えた登場人物に動揺したのか、 「し、し……失礼します……っ!」 言葉を置くや否や、小走りで自分の客室へと入っていった。