推理はラテを飲みながら#00-全ケータイ小説読者への挑戦状-【完】



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「そういえば私、まだ挨拶してなかったかも。せっかくの同年代なのに」


姫子は、人見知りという情報を失念しているかのように、匠を半分抱えながらつかつかと彼女に近づいた。


下はジーンズ、上は白シャツに袖を肘まで折った黒カーディガンを羽織った姿で、オシャレな見た目をしている。


だが、間近で見ると、たしかに全体が小刻みに震えていて、人が苦手という匂いがプンプンした。


「こんばんは!ゴタゴタしてて、挨拶が遅れてごめんなさい。佐伯です……って、知ってるか。ふふっ。あなた、田中さんね?高校生?何年生?」