━━Ⅰ━━ 客室のベッドの中で、匠は横になったまま呻吟していた。 「うぅ……ん」 「ふふっ。ギブアップ?答え教えてあげよっか?」 「教えてくれなくっていい!勝手に言ったらぶっ飛ばすからね」 渋面を作ってみせると、姫子は「分かった分かった」と肩をすくめ、机に置いていたラテ・マキアートの泡を啜った。 「ふう~っ。美味しい」 「お姉ちゃん、髭生えてる!」 「えっ、あ、ヤダ……ふふふっ」