「そういうわけだから。匠はここまできて謎解きはお預けね。代わりにお母さんがしっかり楽しんできてあげるから」 「…………」 「安心して、天井でも見てなさい」 母親とは思えない、辛辣な皮肉。 口あんぐりの匠の肩に軽く手を乗せ、真紀子は部屋を出て行った。 「……あ、悪魔め」 匠は憎しみを込めてドアを睨んでいると、残った姫子が近くの机から椅子を持ってきて、ベッドの横に座った。 「あれ?お姉ちゃんも行かなきゃ。これから、事前に資料とか配るらしいよ?」