━━Ⅱ━━


――ピピピピピピピピッ。


携帯電話のアラーム音で、桜庭匠の夢は強引に中断された。



「……またか」



ぼやけた視界で天井を見上げ、つぶやきをため息と一緒に仲良く吐き出す。


設定していたスヌーズをOFFにしながら、匠はシーツから身体を引きはがした。


真冬だというのに、まるで熱帯夜の翌朝のように背中が汗でびっしょりだった。



「このところ、ずっとだな」