「喫茶店連れてけって頼んだのはそっちだよね?だったら、俺より先に名乗るのが礼儀だと思うけど?そっちのほうが、今のところよっぽど怪しいんだけど」 これ以上ない正論。 ぐうの音も出なかったようで、ふたりは慌てたように「あの!」と自己紹介を始めた。 しかし。 「ワタシはさっき、君が当てたように刑事よ。こういうものです」 言いながら、姉が警察手帳を開いて見せる。 ――ドクン! 名前の欄に視線を向けた匠の胸が、なんとも表現できない気持ちとともに、一回鳴った。