覗き込んでくる大人たちを、匠はかがみながらひょいとすり抜けた。 「教えてやんない!ゆりかごまで持ってくんだもん!」 「バ~カ。それを言うなら墓場までだ。不勉強な生意気坊主が。やっぱ契約は破棄だな」 「うっ……うるさいな!この酔っ払い!」 「コラ、匠っ!」 宗をバカにするたび、いちいち飛んでくる真紀子の叱責。 匠は紛れ込んだ迷い犬のように、迷惑も顧みず現場を走りながら、最後にラテを飲もうとキッチンへと向かった――。 。● What is this mysterious taste?