匠も最初は気づかなかったことだが、人気の推理小説家ともあろう者がこれだけ驚くとは意外だった。 やはり、作るのと実際に解くのは、別物なのかもしれない。 「これで本当の本当に、推理は終わりだよ。もうなんにもないから」 絶句するふたりの視線が頭の上で交わされる中、匠は事前にコピーしていたメモ紙を広げた。 『ヒメちゃんはだれとなかよしになりたいでしょう?』 この答えを、生きているときに解読していたなら。