「えっ……佐伯さんが?」 「だって、ダイイングメッセージの答えは『年下』。これって、動けないけどもしかしたらボクも疑われるかもってことでしょう?だから、ボクが犯人にされても平気なように、証拠になる爪を守ったんだよ」 「そうね……きっとそう」 「うん……」 「差し詰め、片方は坊主に『託すため』、もう片方は、『守るため』だったってところだな」 つぶやいて、宗は自分が吐いた煙の行方を追って上を向く。