皆が気圧される中で、きっぱり否定したのは秋本人だった。 「先、生……?」 「番組以外で彼女に会ったことはありません。仮に彼女を優遇しているなら、一般応募の形じゃなく、招待状を送ってますから」 「そん……な……嘘……」 「当時の番組スタッフも、僕を『秋さん』と呼んでいますから」 想いを寄せる本人からの言葉が、とどめとなったのだろう。 狂気の表情を見せていた田中から、勢いが抜けていく。