「…………!?」 沈黙と無視を続けていた田中が、ここで初めて反応して顔を上げた。 「嘘……?う、嘘よ!騙されないんだから!芸能人なのを利用してっ!!先生に取り入ったに決まってる!ぜ、ぜ、絶対そうよ!!」 尋常ではない取り乱し方が、秋への異常ともいえる崇拝を物語っているように匠は思えた。 広間にいる全員が、同様の気持ちを抱いているに違いない。 「そんなことないですよ、田中さん」