推理が、たおやかに広間を流れていく。 「傷がついてるんなら、お姉ちゃんの指にも皮膚が残ってるはずだって思った。推理のドラマとかでもよくあるしね」 田中からの反論は一切ない。 匠は構わずに続けた。 「そしたら、両手のグーの謎も解けた。あれは、『爪を守るために』握ってたんだって」 「爪を……そうか!なるほど」