「この洋館にくるまでに結構汗かいたし、お化粧直しにと思ってね」 淡い青色のワンピースに合わせた水色のバッグを、くいっと上げる。 「お化粧なんてしなくても綺麗なのに。お姉ちゃん」 「…………」 「ん?どうしたの?」 黙り込んだ理由の見当がつかない匠が、首を傾げると。 「この子はも~~~~っ!!」 急に姫子の突進に遭い、抱きつかれてしまった。 「うわっぷ!お、お姉ちゃん?」