「昼間はオシャレに曲げてたのに、今は伸ばしてる。これって、『証拠です』って言ってるようなもんだよね?」 諦めているのだろうか、うつむいた田中に抵抗はない。 ずるずると引き上げられた左の腕には、一本、縦に赤い「傷」が入っていた。 「刺すときに、引っ掻かれたんでしょう?」 「…………」 「ダイイングメッセージを解いたときに、袖を伸ばしてるのに気づいたんだ。で、傷を隠してるんだって分かっちゃったわけ」