風体に違わぬぶっきらぼうな台詞だったが、秋は意に介さない。 「ははっ。もちろん。極上のものをご用意してますよ」 極上のものという言葉に満足したのだろう、宗は返事代わりに手をひょいと挙げた。 秋はその姿に軽く頭を下げ、次にこちらへとやってきた。 「桜庭先生、いらっしゃいませ」 「お招きいただき、こちらこそ光栄です。あと……もう漫画家ではないので、先生というのは……」 編集者の浮夫のとき同様に遠慮すると、秋は「では」と人差し指を立てた。