「も、もう!こんなときにふざけないのっ!」 わき腹を肘で小突かれた匠は、その拍子に捻挫したほうの足を椅子にぶつけた。 痛みのあまり、自分が天井を見上げる形になってしまった。 「大人しく、自白したらどうだい?お母様」 「いえ、ですからわたしは――」 「犯人なわけないじゃん」 熱を帯びて脈打つ痛みに足をさすりつつ、匠はかろうじて声を出した。