━━Ⅱ━━ 苦い顔をしながらイメージしたものを払拭している匠に、痺れを切らしたような宗が口を開いた。 「もったいつけてくれるなあ、解けた解けた詐欺師。いい加減、ハッキリ犯人を教えてくれないか」 もう少しじらすつもりだった匠は、けれど「仕方ないね」とひと口ラテを啜った。 生温くなっていて、どこか甘さが増したような気がする。 「ダイイングメッセージに書いてあるじゃん、ちゃんと犯人のこと」 「それが解けないから苦労してんだろう、坊主」