跳ねるように顔を上げた匠は、慌ててメモ紙に目を落とした。 「やっぱり。これと、あとこれ……あっ、これもだ……」 「た、匠?何か分かったの?」 真紀子の問いにも答えず、頭の中で問題を急ピッチで整理していく。 「匠くん……?」 秋の声も、左の耳から右の耳へと素通りするだけ。 ――や、やっぱり……。