真紀子の提案にも、首を振るのが精いっぱい。 これでは、タイムリミットまでに解読するのは到底不可能だと判断した匠は、「ラテ……」と口にした。 「ラテ、持ってきてくれない?」 コーヒーのようなものを飲めば、眠くならないと聞いたことがあった。 だからといって、コーヒーは前に飲んで苦手で、ここにあるかどうかも分からない。 そこで、親戚のようなものでいて、姫子も美味しそうに飲んでいたラテならと、要求したのだ。