「やっぱり託したなんてのは、嘘っぱちだったんじゃないか?」 「何をっ?」 「ホントは、こんな坊主に解けるような楽勝な問題じゃないんだろう。あとは警察に任せて、のんびりやろうや」 抗弁しようにも、何かしら答えを提示しなければ、また「詐欺」と罵られるだけ。 ――くそっ、くそっ、くそーっ! 吐きかけた棘だらけの言葉をなんとか飲みこみ、匠は命懸けの伝言の解読に全力を注いだ。