「誰とって言われたってなあ。誰とも何も、問題文にヒメ以外は犬とドラゴンしか出てきてないだろ。まったくおかしなもんだな、こりゃあ」 宗が酒臭い息をまき散らす。 匠は鼻をつまんだ。 「編集者の立場から言わせてもらえれば、本のタイトルも、ちょっといただけないですよ。『ヘビーな未来探偵!トラさん』って……ははは」 苦笑する浮夫の言う通りだ。 適当に作ったにしては、センスが悪すぎる。