ポケットに入れていた2枚のメモ紙を、テーブルに置く。 「なんだろう、これ。問題Aのほうは、計算式が全部でたらめだなあ。問題Bは、変な平仮名と片仮名だし。トンチ問題みたいなことかな」 「まあね。これは、将来クイズ作家になりたいって言ってたお姉ちゃんが考えた、『迷宮問題』っていうやつだよ」 そう。 これは姫子のとっておきで、世界一のクイズ。 匠はそう確信していた。