「警察になんて解かせるもんか」 今にも破れそうなメモ紙を、すくい取るように両手に乗せた。 迷宮の出口にある扉を開き、姫子が天国へ行くための光を差す。 その役を仰せつかったのは、他の誰でもない。 ――ちゃんと見ててよ、お姉ちゃん。 きつく目を閉じた匠は、ゆっくりと目を開きながら、静かに、けれど力強く宣言した。 「迷宮は、ボクが最初に抜ける」 。● What is this mysterious taste?