「おいおい若造。正気かお前。こ~んな坊主に事件が解決できるとでも?」 いつの間にか、メモ紙を覗こうと後ろにいた宗の武骨な手のひらが頭に乗った。 髪の毛を、混ぜるようにガサツに撫でられる。 「解く」 口にしたひと言が、手のひらの動きを止めた。 匠は首を縮めて、宗から逃れた。 「た、匠……?」 テーブルにうずくまっていた真紀子が、顔を上げる。