「わたしが……解けるなら……っ!!」 「お、母……さん?」 真紀子は歯で下唇を刺し、血を滲ませていた。 「わたしが解けるものなら解きたいわよ……。だけど、お母さんは、佐伯さんが匠に解いて欲しいと願ってるように思えてならないの……だから……」 ずるずるずる。 手のひらが頬をなぞるように下がって、だらりとテーブルに落下した――。