Boys Kissシリーズ・『アイドルとのキス』

「分からないって、顔してるね。じゃあ教えてあげる!」

そう言って顔を真っ赤にしながら、彼は近付いてくる。

「おっおい…」

後ろに下がるも、すぐに腕を掴まれてしまう。

そして背伸びした彼に、キスされた。

「っ!?」

震える唇でキスされて、体が硬直する。

「…コレで分かった?」

「なっ何を、だ?」

俺の声まで震えた。

「僕は今、キミにキスをした。もしかしたら殴られる可能性があったのに」

アイドルの顔を殴れるわけないだろうに…。

いくら俺が常識からズレていても、そのぐらいは分かっている。

「傷付く可能性があっても、僕は逃げない。そのぐらいの強さは持っているんだ」

別に弱いとは思っていないが…俺の言い方にも問題はあったか。

「…分かった。じゃあ俺と付き合うのがどんなに大変か、経験させてやる」

「言ったね! 僕がどんなに強いか、教えてあげるよ」

俺達は至近距離で、笑い合った。

…ああ、笑うのなんていつぶりだろう?

アイドル、しかも男と付き合うなんて大変そうだ。

でも彼の強さと可愛らしさ、そして意外な男らしさに魅入ってしまった俺の負けだ。