Boys Kissシリーズ・『アイドルとのキス』

「俺はあまり自分の考えを持っていないんだ。だから周囲の意見に流されやすい。分かっているのに、現状維持をしているからタチも悪い」

何せやっていることは良いことであって、悪いことではない。

それが余計に、俺をつまらなくさせている。

「お前のように、自ら選んで進んでいるワケじゃない。付き合っても、お前が損するだけだ」

「そんなのっ…付き合ってみないと分からないじゃないか!」

「分かるから先に言っている。後悔するお前を見たくないし、傷ついてもほしくない」

いつも見ている笑顔でいてほしい。

俺のささやかな願いだ。

「僕は別に…甘い恋愛がしたいワケじゃないよ」

震える声で、真っ直ぐに俺に話しかけてくる彼から、目が離せない。

「好きな人に、好きになってほしいだけ。それだけで苦しいのも辛いのも、受け入れられる!」

…そういうものなのだろうか?

誰かを愛したことのない俺には、分からない感情だ。