Boys Kissシリーズ・『アイドルとのキス』

潤んだ上目遣いで、見ないでほしい。

自分の中で、何かがグラッ…と揺らいでしまう。

「だっだがお前なら、他にも良い人間がいるだろう? 何も俺なんかを選ばなくても…」

「僕はキミが良いんだ!」

…いくら誰もいないと言っても、放課後の学校。

あまり大声を出さないでほしい…。

「…だが仮に付き合うことになっても、お互い多忙で滅多に会えないだろう?」

俺は生徒会の仕事が、彼はアイドルとしての仕事が忙しすぎる。

普通の一般生徒ならまだしも、すれ違いもいいところだ。

「でっでも滅多に会えないことはないだろう?」

「クラスも違うのに…」

今こうやって会えること自体、奇跡としか言い様がない。

「……やっぱり、イヤなんだ」

「イヤというより、俺を好きだということが信じられない。俺は自分を好きじゃないからな」

「そう、なの?」

「ああ」

俺は眼を伏せる。

彼は大きな眼を、更に見開いていた。