靴を履き替えて学校を出る。

「良かったよね、詩音!サッカー部のマネージャーやってイケメンの彼氏ゲットするって言ってたもんね!木崎はまさにサッカー部のイケメンだし!」

そう話す川島だけど、俺は納得していなかった。

紫藤、好きでもないやつと付き合うのか?告られたから付き合うのか?

だったら、俺が告ってたら・・・
俺と付き合ってくれてたのか?


そう思いながら歩いてた俺には、川島の声は届いてなかった。
届いてきたのは、あの木崎とかいうやつと高木とかいうやつの声。
声はだんだん近付き、俺たちの横を自転車が通り過ぎて行く・・・


そして見てしまったんだ・・・

木崎の腰に手を回し背中に頭をくっつけて、目を閉じて抱きついてる紫藤の姿を・・・

紫藤・・・



今の関係が壊れるのが怖くて告れなかった俺は、後悔しても、もう遅かった。