「詩音、良かった・・・」
そう言ってあたしを抱きしめるいっくん。
「心配したよ。詩音!でも、イチローの焦った顔が尋常じゃなかったよね(笑)」
笑いながら言う優梨。
「当たり前。こんなかわいいやつ、男がほっとくわけないんだから・・・何かあったらどうしようかと思ったし・・・ホント、良かった・・・」
いっくんのあたしを抱きしめる腕に力がこもる。
その力に安心したあたし。
「ごめんね・・・みんな・・・探してくれてありがとう・・・」
「はいはい、紫藤ももう迷子になんなよ!さ、もう行こうぜ!」
藤島くんに、やっぱり子ども扱いされちゃった。
それからいっくんは、はぐれないようにあたしの手をしっかり握っていてくれた。

