ピンポーン
「こんばんは」
「お、一朗くん、ちょっと待ってて・・・お~い詩音、一朗くんが来たぞ~」
「は~い、ちょっと待って~!お母さん、変じゃない?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫!ちゃんとかわいくなってるから♪」
「ありがとう!」
お母さんに初めて振袖を着せてもらって、ぎこちなく玄関に向かうあたし。
「・・・・・・//」
あたしを見て目を逸らしたまま、何も言ってくれないいっくん。あぁ、やっぱり服にすれば良かった・・・
「おかしいよね・・・やっぱり着替えてこようかな・・・」
そう言って俯くあたしの手を握り、「行こう!」と言ったいっくん。
「「行ってきます!」」

