改札を出てわけもわからず走っていたら、急に後ろから腕を掴まれた。 「待てよ!詩音!」 いっくん? あたしを呼ぶ声が聞こえたと同時に、あたしの体はいっくんの腕の中にいた。 あたしを抱きしめるいっくん。 「詩音、もう泣くな!あいつなんかのことで泣かなくていいから!俺・・・絶対あいつのこと許さねぇ・・・」 いっくん・・・ あたしはいっくんの腕の中で声を上げて泣いてしまった。