「皆さん、ご入学おめでとうございます......」
入学式も中盤にさしかかった今。
うちは少し悩んどった。
さぁ、皆さん?
うちはなんで悩んどるんでしょうか?
「では、新入生代表挨拶。新入生代表、霜月小夜」
そう、うち新入生代表やってん。
「はい」
(うーん、どーしよ?うち、さっきまで自分が新入生代表やなんてこと忘れとった)
モンモンと頭の中でイロイロとこねくりまわしながら壇上へとあがる。
「暖かな春の日差しにも恵まれ.........」
パチパチパチパチ
(まぁ、なんとかなったやろか?)
無事に入学式も終え、うちら新入生は各教室へと移動した。
ちなみ言うたら、音羽とは同じクラスになった。
なんでかわからんけど、昔から今までの11年間音羽とはクラスが離れたこどがない。
なんでやろな?
「なぁー。小夜?俺、お前が新入生代表やなんて知らんだんやけど?なんで教えてくれやんだん?」
音羽がうちの席の近くにやってくる。
「なんでて、教えられる訳がないないやん。うちかて、さっきまで忘れとったんやからな」
と言うと、音羽が爆笑し始めた。
「アハハハハハハハハ」
なんか、イラつくわー
「お、お前、そーいうとこ全っ然変わらんなー」
ククッと喉を鳴らしながら言ってくる。
「うるさいなー。えぇやん、ちゃんと挨拶できたんやし」
「せやな、お疲れ様」
ポンポンと、頭を撫でられる。
実はこれ、嫌いやない。
なんて、絶対こいつだけには教えたらん。