「朝ぁ、隣のクラスのぉ、結華ちゃん、振ったってぇ」
一々何度も切って言ってくる辺りがムカつくが我慢して聞く
「ホントぉ?」
そう言ってズイッと顔を近づけて、更にはあたしの腕に胸を擦りつけてくる女
パットの感触しかしないそれに笑いそうになるが、王子様の笑い方にそれを溶け込ませた
「さぁ?どうでしょう?」
結華、って名前は記憶にないが、隣のクラスという辺り、さっき春輝が“隣のクラスの美女振ったってホント?”と聞いてきていたのでそいつで間違いがないだろう
確かに振った
だけどあたしは元々付き合ってない的な感じで振ったから、この事に関してははぐらかすしかない
ていうかこんなに酷い振り方をしても周りによってくる女が減らないってことは、こいつらはよっぽどバカでアホで間抜けなんだろう
今にもさっきの春輝みたいに「ギャハハハ」と笑いだしてしまいたい
それを耐えるのはけっこう辛かったりもする…
「ねぇぇ~、あたしってぇ、紫音くんのタイプに入ってるぅ?」
そう聞いてくる女子に目を向ければ、あたしの左腕に張り付いている女子だった
それはあたしの右腕に居るやつに負けじと胸を潰れるほど押し付けてくるやつだった

