「アドバイスくださいよ、たまには」
「えー。俺、フォトアーティストやし」
「何言ってんすか。服飾学校出てるくせに」
「何年前の話やったかな、それ」
ケイさんから聞くところによると、ハルさんは専門学校までもトップクラスの成績で卒業したらしい。イヤミな男やー!と言いながらも、とても自慢げだったのでよく覚えている。
「センスはあんのにな」
「よく言われますけどね」
「モデルにでもなったら?引退するまで俺が撮ったるで」
「いやいや。俺は脱ぎませんよ?」
「えー。脱ぐんが大前提やで」
センスはあるのに才能が無い。
何だかそう言われている気がして。何だかなーと思いながらそのデザイン画を見つめていると、秋山さんがひょこっと顔を覗かせた。
「佐野君もデザイン出してるの?」
「毎回出すんだけどねー。いつも通るのはあのブロンドガールのデザイン」
「でも凄いじゃない!会社に出せって言われるんでしょ?」
「まぁ…ね」
「いいなー。私なんてそんなお声掛からないもん。佐野君だって凄いよ!」
ランチBOXを抱いたまま、秋山さんは俺を見上げて笑った。
あぁ…こんな女の子に男は弱い。
そんな邪な思いは、当然ハルさんに見透かされた。さすがだ。
「俺も一緒に弁当食おかな。愛妻弁当」
「え?」
「何や。俺がおったらマズイことでもあんのか?」
「いや、別に無いっすけど。いい?秋山さん」
「あっ、うん!ハル先生も一緒に食べましょう」
じゃあ行きましょうか。と楽しそうな秋山さんの笑顔は、俺やハルさんと並ぶと随分と低い位置にある。
それを横目で見ながら、ため息を呑み込んだ。
「えー。俺、フォトアーティストやし」
「何言ってんすか。服飾学校出てるくせに」
「何年前の話やったかな、それ」
ケイさんから聞くところによると、ハルさんは専門学校までもトップクラスの成績で卒業したらしい。イヤミな男やー!と言いながらも、とても自慢げだったのでよく覚えている。
「センスはあんのにな」
「よく言われますけどね」
「モデルにでもなったら?引退するまで俺が撮ったるで」
「いやいや。俺は脱ぎませんよ?」
「えー。脱ぐんが大前提やで」
センスはあるのに才能が無い。
何だかそう言われている気がして。何だかなーと思いながらそのデザイン画を見つめていると、秋山さんがひょこっと顔を覗かせた。
「佐野君もデザイン出してるの?」
「毎回出すんだけどねー。いつも通るのはあのブロンドガールのデザイン」
「でも凄いじゃない!会社に出せって言われるんでしょ?」
「まぁ…ね」
「いいなー。私なんてそんなお声掛からないもん。佐野君だって凄いよ!」
ランチBOXを抱いたまま、秋山さんは俺を見上げて笑った。
あぁ…こんな女の子に男は弱い。
そんな邪な思いは、当然ハルさんに見透かされた。さすがだ。
「俺も一緒に弁当食おかな。愛妻弁当」
「え?」
「何や。俺がおったらマズイことでもあんのか?」
「いや、別に無いっすけど。いい?秋山さん」
「あっ、うん!ハル先生も一緒に食べましょう」
じゃあ行きましょうか。と楽しそうな秋山さんの笑顔は、俺やハルさんと並ぶと随分と低い位置にある。
それを横目で見ながら、ため息を呑み込んだ。

