車を降り、校舎へ向かう。 その途中で何人もの生徒が立ち止り、 私に挨拶をする。 そして、ひそひそと囁く。 「神宮寺 爽世さんと爽さんよ」 「あの神宮寺家の?」 「ええ、あの神宮寺家よ」 神宮寺家は古くから続く由緒ある家系 と表向きではそう言われているが、 裏社会にも関わりを持っている。 その為、周りからはいい顔をされる反面、 恐れられてもいる。