【悠斗 side】
良い匂い、暖かい食事、暖かい家庭。
この家も親がいないのになんだかうちとは違う暖かさがある。

気づいたときには「悠斗。」と言ってしまっていた。
なんでか分からないけど、こいつとは仲良くなれる気がした。
すると向いの笑顔のやつは、「結衣って呼んで。」と言った。

翔以外に心を許したことは今までなかったけど、なぜかこいつには心を開けた。



洸太が寝てしまって、もう遅い時間だったから、そろそろ帰ることにした。
「結衣、俺そろそろ帰るわ。」
そう言うと、結衣は
「あ!もうこんな時間!遅くまで付き合わせてごめんね。」

結衣は家の外まで送ってくれた。

「悠斗気をつけて帰ってね。またいつでも来てね!」

「おう、サンキューな。」

それだけ言って田宮家を後にした。