む、とした表情でそう言い返してみるも
「未桜さまが、わかりやすいだけです」
ごもっともな答えが返ってきただけだ。
「本当に、貴方には敵わないわね…」
なんのことです?
と、訪ねながらも笑顔な湖
空気が読めて、頭がよくて
可愛らしくて、私の事をいつも助けてくれる
腹黒いところもあるけれど
「そんな湖が大好きよ」
「なっ・・なんですかいきなり・・・はぁ、私も未桜様には敵いませんよ」
気持ちを伝えただけだのに
顔を赤くして俯いてしまう
こういう時折見せる弱点が可愛くてしょうがない
ふふ、と笑っていると
「もう・・・あまりからかうと脱走、手伝いませんよ?」
「すいませんでした」
「よろしい」
これじゃどっちが上なのかわからないわ・・・
だけど、脱走できないのが一番困るから
こう切り出されると逆らえないのよね・・・
「・・未桜様、そろそろ美雨が稽古から帰ってくる時間帯です。よかったら出迎えてやってください」
「そうね・・・」
湖に言われて部屋からでて、門へと向かうと
駆けながらだんだんと近づいてくる
可愛らしい男の子の姿が見えた。
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