自己紹介でも先生は名前を名乗っていなかった。名字だけ。 ……どうやってこの状況を切り抜けようか? 「どうかした?」 竹垣さん達に…電話して聞いてみようかな… 「せ、先生!ちょっと…緊急のトイレに行って来ます!」 ――もっと上手く口実作れよ、私。 雰囲気が台無しだ。 「くっ………くくくっ…」 月野先生は何故か笑っている。 とりあえず今がチャンスだ。 私は急いで階段を下り、トイレで若葉さんに電話をかけた。