「……すみません、先生。嘘つきました。クッキー焼いたので食べて下さい。それでは。」 私は一方的に語ってノートを取ってそそくさと場を離れた。 「ありがとう!優!」 ……声大きい。 私は振り返らなかった。無我夢中で足を急かす。 …あんな大勢の前でチョコを渡すのは緊張する。 「ふぅ……」 ノートを教室へ運び、それぞれに配る。 ふと見ると私のノートに付箋が貼られていた。 そのページを開くとメモが挟まれていた。 "放課後、屋上へ。" ……部活終わってからで良いよね?